石に彫られた文字

仕事の合間によく近所の墓地を散歩する。

頭の中がごちゃごちゃして収集がつかないような時に、静かな墓地を散歩するといい気分転換になる。墓地から海が見えることも気に入っている。

散歩しながら墓ばかり見ているうちに、墓石に彫ってある文字が気になってきた。

ここの墓地には、古いものは大正、明治、そして江戸時代のものもある。私が見た中で一番古いものは、享保年間のものがあった。江戸期から昭和初期ぐらいまでは、墓石に手彫りで文字を彫っていたはずだ。硬い石に文字を刻むというのは高い技術を要するだろう。特に漢字の「払い」の部分を滑らかに彫るのは難しいだろう。

石に彫られた文字のことを考えていたらTRAJANというフォントを思い出した。あれはローマ時代の墓石に彫ってある文字を元に作られたフォントだったはず。ゴディバのロゴがTRAJANをベースに作られている。上品でスマートな印象を与えるフォントだ。

日本の墓石に掘られている文字には、時代による特徴とか流行りがあるんだろうか?
ノミで掘った書体が個性的で面白い。