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「さつま」が名前につくもの②さつまイカエギ

先日、黎明館で開催されていた「黎明館の至宝展」を観てきました。

珍しいものがたくさんありましたが、そのなかでもイカエギ(烏賊餌木)のコレクションがとても面白かったです。江戸末期に薩摩藩出身の樺山資紀が使っていたイカエギとエギ箱が特に美しかったです。木を削って作った特徴的なフォルムと、独創的な模様が印象的でした。ガラスケースに入っているので触ることができないのが残念ですが、使い込まれた木の手触りもすごく良さそうでした。上質な材料を使って丁寧な仕事がしてあることは、釣りの素人でもよくわかります。釣り道具ではありますが、工芸品としてもとても美しいものだと思います。

錘に使っている銅銭の錆びた緑色がなんとも神秘的で、野趣味に富んだこの小さなイカエギに力強い生命感を感じました。

イカエギ作りの名人は、まず名木探しから始まるそうです。名木が見つかったら丁寧に削って滑らなか曲線をもつイカエギを削り出します。そしてどことなく縄文土器をおもわせる模様を焼き入れます。

イカ釣りは、「イカ引き」とも言われるそうで、夜することが多いようです。

月明かりの錦江湾、舟を浮かべて静かにイカ引きしている幕末の薩摩藩士、なんか画になりますね。